子どもの頃から、図書館が好きでした。
本も好き。
でも、それ以上に、あの空間が好きなんです。
本棚の間を歩いているだけで楽しい。
借りる本を決めている時間も好きでした。
だから、「いつかここで働けたらなあ」と思っていました。
ところが高校卒業後に進んだのは、司書への道ではなく、雑誌編集の専門学校。
編集者にも憧れていたんです。
ところが、実際に勉強してみたら、
「あれ。私、これあんまり向いてないかも?」
となりまして。
卒業後は事務系の仕事に就きました。
それからは普通に働いて、仕事を覚えて、毎日を過ごして。
気づけば、ずいぶん長い時間が経っていました。
図書館で働きたかったことなんて、いつの間にか忘れていました。
それが50代になって、なぜかまた出てきたんです。
「そうだ、司書資格を取ろう」
なんで今?
自分でもそう思います。
子どもの頃の夢って、もっときれいに忘れてしまうものだと思っていました。
でも、残ってたんですね。
とはいえ、思いついたからといって、すぐに大学へ飛び込めたわけではありません。
今さら勉強なんてできるのかな。
正社員で働きながら大学?
そもそもオンライン授業って何するの?
考え始めたら、不安はいくらでも出てきます。
特に心配だったのが、仕事との両立でした。
平日は仕事。
家に帰れば、もう疲れてる。
そこから「さあ、お勉強しましょう!」なんて。
いやいや、できるのか私。
それでも、通信制大学ならなんとかなるかもしれないと思って、入学しました。
実際に始めてみると、思っていたより自由でした。
もちろん、楽という意味ではありません。
レポートの締め切りは待ってくれないし、仕事をしながらの勉強は、普通に大変です。
「なんで大学なんか入っちゃったんだろう」
と思ったこともあります。
それなのに、嫌じゃないんです。
知らなかったことを知るのは面白い。
レポートを書き終えたときは嬉しい。
成績が出れば、やっぱり気になる。
学生だった頃より、今のほうが勉強を楽しんでいるかもしれません。
そして、子どもの頃に憧れていた司書にも、少しずつ近づいています。
50代になってから、大学生になるとは思っていませんでした。
人生って、よく分からないものです。
ずっと昔に置いてきたつもりだったものを、こんなところで拾うこともある。
だったら、「今さら」も案外、悪くないのかもしれません。
